パトリシア・ハースト事件が意味するもの
パトリシア・ハーストの事件は、「洗脳」から派生した「マインド・コントロール」がいち早くクローズアップされる
きっかけになりました。
それまでは、他人を従順にするために、過剰の薬物投与や電気ショック、拷問などの手荒な手段を講じていましたが、
パトリシアの場合は、少し違うようなのです。
勿論、全く暴力的な側面がなかったのではありません。
しかし、彼女の証言から、その従順さを形成する過程で、もっと心理的な誘導に基づく部分が大きかったのではないか、
という推測がされたのです。
それは、今までにはない洗脳方法でした。
しかも、彼女を見る限り、短期間でしっかりとマインドコントロールをする側の意図する効果を上げています。
この事件は、当時大きく報じられましたが、その大きな報道の裏には、アメリカの洗脳技術における転換期に起きた
象徴的出来事である、という面があったのではないかと思われます。
パトリシアは、誘拐された直後、監禁状態にありました。
しかし、監禁が解けると、拷問が待ち受けるどころか、むしろ丁寧に扱われたそうです。
そのことが、彼女が彼らに心を許すきっかけになり、また、彼らが同世代の若者だったことで更に同調する条件が
揃ったことなどもあり、洗脳とは違うテクニックで従順さを形成した、と説明されています。
暴力を使わずに相手を服従させたのですから、ある意味で相当鮮烈な出来事であったのかもしれません。
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定義と用語解説
マインドコントロールにかかる心理
具体的なマインドコントロール・洗脳の方法
マインドコントロール・洗脳されないためには
マインドコントロール・洗脳を解くには
マインドコントロール・洗脳事件簿
以下にご紹介するのは、世界で実際に起きたマインドコントロール・洗脳事件です。