オウム真理教の教団概要
90年代の日本を震撼させたオウム真理教による一連の事件は、私たちに「洗脳」の恐ろしさを見せつけ、
またその言葉の意味を強烈に印象づけました。
オウム真理教は、松本智津夫(通称:麻原彰晃)により設立されたヨガ道場「オウムの会」がその前身で、
1984年に設立されました。
当初は、新興宗教としての特色はなかったのですが、松本智津夫は70年代に薬事法違反で逮捕されたことがあり、
再犯の予備軍であったのかもしれません。
1987年に団体名を「オウム神仙の会」に改称、同年に宗教団体「オウム真理教」になります。
その2年後に宗教法人としての認可を受けています。
宗教法人として認められたことが松本を勢いづけてしまったかのように、それ以後、その実態が次第に
犯罪組織化していきます。
最初にオウム関連の事件でクローズアップされたのが、「坂本弁護士失踪事件」(後に「殺人事件」になる)で、
1989年のことです。
しかし、オウム真理教が犯罪組織として大がかりな捜査を受けるまでに暫く時間がかかります。
「犯罪行為が行われている」という状況証拠はあったものの、確証を得るのに時間がかかり、また一部の杜撰な捜査のために
犯罪の立証がより一層遅れたのです。
それでも、あれだけ多くの犯罪を犯し、警察や弁護団を含めた多くの人々が動き出し、地下鉄サリン事件後に一気にその教団の
実態が明らかになります。
オウム真理教の教団概要 -2-
教団は、松本及び地下鉄サリン事件を契機に崩壊の道へと向かいます。
警視庁は、地下鉄サリン事件が起きた当時の教団施設(上九一色村)を強制捜査、教団幹部の殆どが逮捕され、
施設の屋根裏部屋に隠れていた松本も敢え無く逮捕となりました。
この強制捜査が行われた1995年以降現在に至るまで、教団幹部の裁判が断続的に続いています。
更に2011年12月31日、17年間逃亡し続けていた信者である平田信容疑者が出頭して逮捕され、事件は今になり、
新たな展開を見せました。
一方で、逮捕されなかった信者らはオウム真理教を改め「アレフ」という名前で宗教活動を再開、一連のオウム事件で
逮捕されていた、教団No.2の地位にいた上祐史浩が出所して、自ら「ひかりの輪」という宗教団体を立ち上げました。
オウム真理教そのものは1996年に破産宣告を受けて、完全崩壊したものと思われましたが、その真相ははっきりと
わかりません。
上祐氏の団体は、麻原(松本)との完全な決別を宣言していたにも関わらず、その説法の内容は麻原の影響を受けている
と指摘されていて、また2012年3月にアレフ本部に警視庁が立ち入り捜査をしたところ、大量に麻原の説教本や麻原の写真が
出てきたとのことです。
逮捕されなかった人たちが、きちんと洗脳を解くプロセスを辿っていなかったのなら、まだ麻原思想を継承する元信者が
いるのかもしれません。
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定義と用語解説
マインドコントロールにかかる心理
具体的なマインドコントロール・洗脳の方法
マインドコントロール・洗脳されないためには
マインドコントロール・洗脳を解くには
マインドコントロール・洗脳事件簿
以下にご紹介するのは、世界で実際に起きたマインドコントロール・洗脳事件です。