般若心経・金剛般若経 十九

「時長老須菩提在大衆中。即從座起。偏袒右肩。右膝著地。合掌恭敬而白佛言。」

書き下し文

「時に長老須(しゆ)菩提は、大衆の中に在り、すなわち、座より起(た)ちて、偏(ひと)えに
右の肩を袒(はだぬ)ぎ、右の膝を地に著け、合掌恭敬(くぎよう)して、仏に白(もう)して言う。」

現代語訳

「ちょうどそのとき、スブーティ長老もまた、その同じ集まりに来合せて坐っていた。さて、スブーティ長老は座から起ちあがって、上衣を一方の肩にかけ、右に膝を地につけ、師の居られる方に合掌して次のように言った。」

ここまでは、何の問題もないと思います。これ以降、金剛般若経の本題に入ってゆくことになります。

「『希有世尊。如来善護念諸菩薩。善付嘱諸菩薩。世尊。善男子善女人。發阿耨多羅三藐三菩提心。應云何佳云何降伏其心。』

書き下し文

「『希有(けう)なり。世尊よ。如来はよくもろもろの菩薩を護念し、よくもろもろの菩薩に付嘱(ふぞく)したもう。世尊よ。善男子善女人(ぜんなんしぜんじょにん)、阿耨多羅三藐三菩提(あのくたらさんみやくさんぼだい)の心を発(おこ)さんに、まさに、いかんが住すべき、いかんがその心を降伏(ごうぶく)すべきや』と。」

現代語訳

「師よ、素晴らしいことです。幸(さち)ある人よ、まったく素晴らしいことです、如来・尊敬されるべき人・正しく目覚めた人によって、求道者・すぐれた人々が《最上の恵み》につつまれているということは。師よ、素晴らしいことです。如来・尊敬されるべき人・正しく目覚めた人によって、求道者・・すぐれた人々が《最上の恵み》をあたえられているということは。/ところで、師よ、求道者の道に向かう立派な若者や立派な娘は、どのように生活し、どのように行動し、どのように心を保ったらよいのですか。」

細かいところは次回にします。

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