今日から金剛般若波羅蜜経です。
「金剛般若波羅蜜經/姚秦天竺三藏鳩摩羅什譯/如是我聞。一時佛在舎衞國祇樹給孤獨園。與大比丘衆千二百五十人倶。」
書き下し文
「金剛般若波羅蜜経(こんごうはんにやはらみつきよう)
姚秦(ようしん)の天竺(てんじく)三蔵鳩摩羅什(くまらじゆう)訳す
是(かく)の如くわれ聞けり。一時(いっとき)、仏、舎衛(しやえ)国の祇樹給孤独園(ぎじゆぎつこどくおん)に在(い)まして、大比丘(びく)衆(しゆ)千二百五十人とともなり。」
現代語訳
「尊ぶべき、神聖な、智慧の完成に礼(らい)したてまつる
わたくしが聞いたところによると、――あるとき師は、千二百五十人もの多くの修行僧たち[と、多くの求道者・すぐれた人々]とともに、シュラーヴァスティー市のジェータ林、孤独な人々に食を給する長者の園に滞在しておられた。」
註
姚秦:「後秦」ともいいます。羌(きょう)国の姚萇(ちょう)が前秦王符堅を殺して建てた国。国の都は長安であって、三八四年から四一七年まで続きました。クマーラジーヴァ(鳩摩羅什)は二代の姚興に招かれて長安に入り、十二年間仏典翻訳の仕事に従事しました。
(続く)