般若心経・金剛般若経 七

色即是空、空即是色、に関しては、人生の宿題として先に進みます。

「受想行識亦復如是(じゆそうぎようしきやくぶによぜ)。」

読み下し文

「受想行識もまたかくのごとし。」

現代語訳

「これと同じように感覚も、表象も、意志も、知識も、すべて実体がないのである。」

再び、「ない」という事が出てきました。感覚も表象も意思も知識も全てが「夢」と言っているのでしょうか。多分、そうに違いないとは思いますが、そんな簡単に事が済む筈がありません。

まず、感覚がない、とは何を意味するのでしょうか。思うに、感覚を感じ取る「私」という存在がそもそも実体がないと言っていて、「私」と思っている「私」は迷妄でしかない、と言っているのかもしれません。

そもそも「私」が「私」を考える事への惑溺とその虚しさは誰もが知っている事だと思います。その「私」に感覚がないと般若心経は断言しているのです。感覚がなければ、頭蓋内の闇に浮かぶ表象もなく、意志も知識も全て「実体」が「ない」のです。これは、「私」が「私」を考えるというトートロジーがどこまでも続く堂々巡りを抜けるためには、「私」は「私」であることを「断念」すると、言っているのかもしれません。

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