般若心経・金剛般若経 三

「照見五蘊階空(しよけんごおんかいくう)。」

読み下し文は、

「五蘊皆空なりと照見して。」

「五蘊(ごうん)」とは、
1. 色蘊(しきうん):人間の肉体を意味していましたが、後に全ての物質も含んで言われるようになりました。
2. 受蘊(じゅうん):感受作用。
3. 想蘊(そううん):表象作用。
4. 行蘊(ぎょううん):意志作用。
5. 識蘊(しきうん):認識作用。

五蘊とは、「五つの集まり」という意味です。五蘊で一切の存在が成り立っているというインド仏教は考えたのでした。

現代語訳

「存在するものには五つの構成要素があると見極めた。」

この五蘊とは、考えれば考える程、奥深いもので、色受想行識で存在が成り立っているときっぱりと言うことは、どれほどの思索があったのか偲ばれます。

「度一切苦厄(どいつさいくやく)。」

読み下し文

「一切の苦厄を度したまえり。」

現代語訳

「しかも、かれは、これらの構成要素が、その本性からいうと、実体のない者である事を見抜いたのであった。」

つまり、独善的に言えば、あらゆる 苦厄は鎮めた、という意味かと思われます。悟りの境地というものの一端がここに現われているように思います。それは、度一切苦厄だからなのです。つまり、如何なる苦厄に対しても対峙できると高らかに宣言しているのです。これは、非常に重い言葉です。

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